丹念に紙バンドを重ね合わせてつくられた小箱は、手仕事の温もりを宿しながら、用と美をあわせ持つ工芸品となります。ひとつひとつの線が重なり、形を成すその過程は、静かな積み重ねの時間そのもの。そこに宿る律動は、箱の内側に秘められた空間までも特別なものに変えていきます。
蓋に施された文様は、単なる装飾ではありません。それは鍵穴のように、作品の奥深くへと導く象徴であり、覗き込む者の心を別の世界へと開いていきます。小さな器でありながら、その中には果てしない広がりが内包されており、まるでひとつの宇宙を手のひらに抱くような感覚をもたらします。
私は、この小箱をつくるとき、単に物を収める器を超えて、心を静め、想いを託せる場を形にしたいと願っています。日々の暮らしの中で、大切なものを包み、そっと寄り添う存在となるように。
――そんな思いを込めて、私は「かみばんど工芸品」をこのようにして作成しました。





